こんにちは、もんふじです。

 

某ブロガーさんみたいなタイトルになってしまいましたが、
今回は本当にそう発言したくなるニュースについてお話しします。

 

記事全文:大学1・2年生が就職したい企業、1位は?
http://news.mynavi.jp/news/2016/08/29/091/

 

記事を要約すると、

大学生1、2年生男女477人を対象に就職したいと思う企業・業種を調査したところ、
1位が地方公務員、2位が国家公務員であったと。

さらに、最低限実現したい生涯最高年収については、
1位が500万円以上600万円未満」で、2位が「400万円以上500万円未満」となっており、

就職先選定において気になる点については、
1位が給与額、2位が雇用形態、3位が残業時間であったとのこと。

 

感想。

 

公務員なめんな!!!

 

以上。

 

 

少々乱暴な言い方になってしまいましたが、
元地方公務員の僕から言わせてもらえば本当にそう思う次第です。

調査結果から見る大学生の志向

就職したいと思う業種として公務員と回答した人と
就職先選定において気になる点として雇用形態や残業時間と回答した人が
完全に一致するとは考えられないとしても、この調査から全体の傾向として分かることは、

 

「公務員は仕事が楽で残業時間が少ない。」

 

と考えている人が未だに多いということ。

 

…完全な幻想ですね。

昨今の公務員の現状

確かに20年くらい前まではそうだったかもしれません。

実際に僕の元職場の大先輩方の証言でも、

 

「昔は一部の部署を除いて定時帰りで飲みに行くのが普通だったよ。」

 

ということを聞きます。

 

しかし、僕が6年間務めた感想としては、

 

「一部の部署を除いて激務サービス残業が横行している。」

 

というのが率直なところです。

 

部署を挙げると、福祉系、企画系、財務系の部署は
どこの自治体もかなりの激務であることが多いです。

 

福祉系は、増え続ける生活保護受給者等への対応で日中はカウンター対応や現場対応。

自分の担当業務の事務ができるのは定時後になってから。

 

企画系は、迷走する行政改革の中であれこれと前時代的かつ非生産的な計画作成をしたり、
専門性を有しない素人同然である市議会議員の
どうしようもない提案を市長が安易に受け入れて、
その枠組み作成や外部との調整をする。

 

財務系は、この厳しい財政状況下で各部署の予算編成や決算の編集を統括する。

 

僕は企画系に配属された経験がありますが、
この時は自宅には寝るためだけに帰っていた記憶しかありません。

土日含めて次の日の午前2時帰りが常態化していました。
申し訳程度には残業代は付きますが、実際の何割もない、といった具合です。

 

しかもこの傾向は年々拡がっていて、

各部署における業務量の偏りを解消するために新部署を創設

→一瞬、業務量は分散する

→しかし、業務量が軽減された部署に次々と新事業が舞い込む

→激務の部署が増える

といった地獄の様相を呈しています。

 

もし興味があれば、深夜にお近くの市役所の最上階あたりを見てください。

絶対に電気ついてますから。(一般的に上の階に激務部署が多いです。)

公務員特有のストレスや苦痛

上記の状況だけならば民間企業だって似たようなものでしょう。

しかし上記に加えて、公務員はその立場上、精神的に疲れることが多いです。

 

どういうことかと言うと、

税務関連部署に多いですが、基本的に市民からは上から目線で見られます。

 

「俺たちが税金を払ってやってるおかげでお前らは食えていけるんだ。」

 

と言わんばかりに。

 

酷い人だと、カウンターに来た時点ですでにブチ切れ状態。

回りの状況など構わずわめきたてる人なんて
自分の目に入る範囲内だけで月に2回以上必ずいます。

 

カウンター対応で酷いものだと、警察を呼んだ例も4回くらい見ています。

 

僕個人の経験だと、電話越しに

 

「てめぇの住所教えろや。殴り込みに行ってやるよ。」

 

と言われたことが何回かあります。(これ、証拠とれば脅迫罪適用できますよね。)

 

常にこういった立場に立たされることを考えながら
仕事をしなければならない状況を想像してみてください。

これだけでもかなり精神的に参ります。

 

 

こうした精神的プレッシャーに加えて、業務の非生産性にも嫌気がさします。

 

公務員は基本的に万人に対して公平な立場を崩してはなりません。

よって、特定の者が恩恵を受けるような政策は実行できません。

 

するとどうなるか?

 

万人向けの政策展開しかできなくなるのです。

アフィリエイトにおけるターゲット選定でもそうですが、
ターゲットを絞らない企画なんて誰の心にも届きません。

よって、つまらない、成功見込みのない政策が量産されるわけです。

 

そのくせ、お役所の仕事って文書はきちんと残しておかなければならないので、
そんな中身のない政策であっても、計画書から会議の報告書まですべての記録を
関係者全員の印が押された書類として逐一残さなければならないのです。

 

そういった事務的な業務が結構なボリュームを占めるため、業務量が無駄に増えます。

省略できるものは省略すりゃいいのに。

 

「だからそういったお役所仕事を内部から変えれば市民の目も変わるんじゃないの?」

 

と思う人もいるでしょう。

 

それは一理あります。

 

内部の社風を変えることに人生をささげる覚悟があるならね。

 

僕にはできませんでした。

 

少なくとも僕は、正直言って、
自分の人生を使って人のためにそこまで尽くし切る考えにはなれませんでした。

 

人間1人の人生をささげて、イチ市町の業務がちょっとだけマシになった。

 

それ、生産性低すぎでしょ。

 

それだったら1人でやった方が早いし、同じだけの労力を他の仕事で費やせば、
公平ではないかもしれないけれど多くの人に価値提供ができて生産性も高いはず。

 

そう思ったから、僕は公務員を辞めました。

現代における公務員の適正とは?

一言で言えば「ボランティア精神」でしょう。

自分の人生をささげても、他人のために尽くせるという精神が間違いなく必要です。

そのぐらいでなければ上記のような環境に耐えられるはずがありません。

 

実際にその立場に立ってみないと絶対に分からないでしょうけど、
市民に文句を言われ続けていると、段々と自分が市民の奴隷のような気がしてきます。

そんな状況に耐えられる強いメンタルも必要です。

 

単純に損か得かで言えば、間違いなく損な役回りです。

それでも公務員を志すんだ、と言える方を僕は本気で尊敬します。

まとめ

20年くらい前までは、比較的楽な仕事が多く、また給料もその割には良かったのは事実なので、
おそらくその時代の公務員のイメージを持ったままの大学生の親あたりが
「公務員はいいぞ!」と勧めているのかもしれません。

 

でも、ちょっと立ち止まって、よく考えてみてほしい。

 

1人や2人くらい、大学の先輩で公務員になった人も周りにいるだろうから、
そういった人の話を一度聞いてみてほしい。

 

多くの人の場合、自分がイメージしていた公務員像とはかけ離れているはずです。

いい大学入ったのに、就職先はクレーマーの奴隷です、
なんて、本気でシャレになりませんから。

 

世間に流布している、実際に本当かどうかわからないイメージで仕事を選ぶよりも、
自分がどんな人生を生きたいのかを大切にして、よく考えてみてほしいと思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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